新規事業開発の実務

どうせすぐ忘れるんでしょ\(^o^)/

セミナーに行くメリット

Quxil(キクシル)でこんな質問に回答を求められたので書いてきた。

 

セミナーに行くメリット、効用には何があるでしょうか。

ソーシャルメディアが浸透したことにより、多くのビジネス系セミナーがそこかしこで行われるようになりました。たぶん開催数それ自体が純増していると思いますし、「イベントに参加した」という事実もソーシャルメディアのおかげで(せいで?)多く目に触れるようになりました。

 

こうしたセミナーに参加することの効用は、1. 学ぶきっかけが得られる、2. 紙面では得られない生きた情報が手に入る、3. 同じ興味を持つ人とネットワーキングできる、などがあると思いますが、それ以外に効用はあるでしょうか。あるいはデメリットはあると思いますか?

 

 

オレはこう思う

 

 ワークショップなんかをやってると「リフレーミング」の効用は強く意識するようになるのですが、あれも一つのメリットと言えるのではないでしょうか。 


ここでいう「リフレーミング」の意味をお話しする前に、「ものごとを考えるときの頭の使い方」について、少し抽象的なお話をさせてください。 

人生は判断・決断の連続ですよね。ランチをどこにするかから契約の締結要否まで、日々さまざまな問題や問いかけに答えを導き出さなければならないわけですが、あるインプットに対して決断を下す根拠の大部分は「過去の経験」が占めるのではないかと思います。「このアイデアどうですか?」って聞かれて即座にネットで事例を検索する人はあんまりいなくて、大体のケースではその人が過去に見聞きした成功事例や感覚などに基づいて回答しますよね。 

世の中は時間が流れており、物事やそれを取り巻く状況が変化している以上、判断を必要とするインプットには厳密には同じものはありません。そのような状況下で生まれる特殊な問いに、脳みそというデータベースにたまった知識・経験値を元に、瞬時に判断し、答えを出していくわけです。普通に考えればこのような人間の能力は、大変すばらしいという他ありません。ただ、ケースによってはこれが逆に仇になることも少なくないのではないかと思うのです。 

人でも、世の中でも、ビジネスでもなんでもよいのですが、とにかく物事というのは多様な側面を持っています。例えば、「あるサービスについて感想を聞く」といった場合、聞く相手がユーザーなのか、提供する会社の社長なのか、マーケティング担当者なのか、開発者なのか、カスタマーサポート部門なのかによって全然回答が変わってきます。私も過去に利用者の属性によるサービスイメージ調査の結果をみたことがありますが、経営に近い層やマーケティング担当はサービスを肯定的に捉えるケースが多く、ユーザーやカスタマーサポートはネガティブな側面に敏感です。開発者はサービスそのものに加えて可用性やアーキテクチャにフォーカスします。 

例えが長くなってしまいましたが、要するに「同じものでも捉え方は人それぞれ」ということ。最初に申し上げた「リフレーミング」は「自分の捉え方と他人の捉え方を比較して違いを客観視する」というような意味合いです。自分が持つ物事の捉え方、フレームを、一段高い目線から見るということですね。 

セミナーの効用」という観点で具体的に示すと、「共通するテーマについて実績や関心を持った人々の多様なものの見方を学ぶ場として大変効率がよい」ということになるでしょうか。「人々」としたのは、「共通するテーマについて実績や関心を持つ」という意味では講師以外の参加者も含まれるからです。 

セミナーの講師はそのテーマについて語るにふさわし知識や経験、実績を持っているのでしょう。ただ、そこで語られる「理論」だけにフォーカスすると応用が利きません。「着眼点」や「捉え方」、「考え方の筋道」といったものの、「自分との違い」に着目すると異なるケース、異なるシチュエーションでの汎用性が高いのではないかと考えています。確か「模倣の経営学 (井上達彦著)」だったと思いますが、筆者の頭の中には筆者が認める有識者が何人かいて、自分が取り組む課題に対して彼らなりの視点で意見を言ってくる、と書いてありました。 

これは単に「客観的」であるだけなく、「複数の主観」を切り替えているといえるでしょう。あるテーマに対して的確な「見方」を求めるのであれば、そのテーマに対して実績・知識を持った人のものがベストであることは言うまでもないですよね。同時に、セミナーの参加者たちも「自分とは異なるフレーム」を持った達人たちです。多くのセミナーには懇親会がありますが、そこで当日聞いたテーマについて話合うことで、「講師の見解」と「自分の見解」の相違から生まれるギャップをもう一度浮彫にし、より精度高く修正することができます。 

最初の方で、「脳内のデータベースに溜まった経験値を元に瞬時に判断を下すことが、場合によっては仇になるかも」と書いたのは、「過去のものである知識や経験は、競争相手も同じものを有している可能性が高い」。その上、「ビジネスの現場では、自分と同程度に相手も合理的であると仮定する」と、競争力を生み出すアイデアを生み出すためにはそもそも自分の考え方のどこかを否定する必要がある、と考えることもできるからです。 

ちょっとまあ、最後の方は意味わからなくなったと思いますが、ごく簡単にまとめますと、セミナーの効用として以下の点が有用であると考えます。 

1.「リフレーミング」自分とは異なり、かつ優れた「視点」が手に入る。 
2.同様のテーマに関心、実績のある人たちが複数いるために、リフレーミングを実践する場として非常に効率がいい。 
3.自分の持っている知識は、競争相手も同様のものを持っている可能性が高く、自分と同程度に合理的であることが予想されるため、その時点で最新の「視点」「切り口」を常に生み出し続ける必要がある。 

・・・こんな感じでしょうか。 

セミナーが持つ効用の一側面でしかないと思いますが、私はこのように考えました。ご意見いただけますと嬉しいです。