新規事業開発の実務

どうせすぐ忘れるんでしょ\(^o^)/

NOREL を運営する IDOM は大企業だ。 だけど NOREL はスタートアップだ。 大企業で働く私が、「もっとスタートアップのように働こう」とつくづく考え直したきっかけは2つある。 大企業の環境は、コスト感覚を寛容にする 制約を解決する能力が低下してくる どういう環境からの所感か 背景から説明しよう。 NORELは上場企業がチャレンジする新規事業なので、例えば主力事業についている何十億円といった広告予算、といったものはもちろんない。だけど、決裁ベースではあるがスタートアップがシリーズA

NOREL を運営する IDOM は大企業だ。
だけど NOREL はスタートアップだ。

 

大企業で働く私が、「もっとスタートアップのように働こう」とつくづく考え直したきっかけは2つある。

  1. 大企業の環境は、コスト感覚を寛容にする
  2. 制約を解決する能力が低下してくる

 

どういう環境からの所感か

背景から説明しよう。

NORELは上場企業がチャレンジする新規事業なので、例えば主力事業についている何十億円といった広告予算、といったものはもちろんない。だけど、決裁ベースではあるがスタートアップがシリーズAでやっと調達できるくらいの予算を前提に動いている。バランスシートはすでに数億円規模だ。

優秀な人材、あれば便利な素晴らしいツール類、広告・制作・マーケティングなど当社の基幹システムを支えてきた外部の卓越した専門家たち、どれもこれも魅力的だ。そしてどれもこれも金がかかる。

 

「ROIをしっかりと見定め、戦略的に投資しなければならない」

 

どこかのコンサルのセミナーみたいだ。そういう戦略家もまたべらぼうに金がかかるが、それはおいておいて要するにこのROIとかいうヤツ、言うは易く行うは難し、ということである。「スピード」が前提にあるからだ。

複雑なことを手早く処理し、たくさん試し、一番先に答えを見つけるゲームを私達はしている。

 

計算機は役に立たない

この事業にアサインされた2016年12月、自分の目下のタスクはビジネスモデルの改善とシステムの正常化、それに加えて開発チームの体制構築、コアメンバーの再配置。それが落ち着いた半年後の現在は在庫調達に始まって、SLAの確立、パブリシティ、ROASのベース算出とエリア拡大計画、そしてアライアンスと目が回る。

そのひとつひとつについてROIの算出!?とてもじゃないが計算機の出る幕ではない。情報収集と経験で最短で処理していかなければならない。仕事はマルチタスクだが、クリティカルパスは1本しかない。そこにつながる何かが遅れれば成長と達成が遅れるのだ。

 

このような状況において、金で解決できる問題はどうしても頼りたくなる。顧客や人材やパートナー、金銭ではどうにもならない課題が山積みだからだ。そして上場企業の周りには、魅力的な、値札の付いた魔法のランプがゴロゴロしている。そうやって金に頼るようになる。頼ると任せるようになり、「任せた」つもりで待ち受けているのが思考停止の罠だったりする。

 

NORELチームは健康だ

幸い、NOREL事業はまだそこまでやばくない。ここでもやはり生きてくるのは経験だと思う。うちのチームには、スタートアップやベンチャー経験者、そして貧乏人 (クルマにお金使いすぎ) が多いのだ。

 

「その見積もり高いっすよ」

 

NORELチームのメンバーは、IT系ベンチャー経験者も、クルマ屋も、出費に対して事あるごとにそう言う。彼らは別にケチなわけではない。単に「原価を知っている」だけなのだ。そしてその「原価」の中には、「自分」という彼ら自身の能力も含まれる。それに加えて素晴らしいことに、NORELのメンバーは皆とんでもなく優秀で、何をやらせても相当に早い。そして「外にそんなに金だすなら、おれが土日にバイトでやりますんで投げてください」という。

 

スタートアップのように働こう

自分でやってみた体験が一番のモノサシ

タイトルの「スタートアップのように働こう」というのは、ひとつは「自分の手を動かすことを厭わない」という決意だ。ベテランが昔の仕事を思い出しながらやるのも、知らない領域をググりながら暗中模索でやるのも、最初はおっくうだがやってみると悪くない。発見と学びがあり、事業に貴重なフィードバックがある。

ただしこれは、自分でやる方が早い場合に限られる。必要な出費をケチって品質やスピードを犠牲にするのは本末転倒だし、NORELチームに所属するプロフェッショナルの稼動コストは安くない。

どれだけ広く見て、どれだけ深く考えるか

ふたつ目は、制約の中で試行錯誤しよう、ということだ。必要は発明の母であり、制約はニーズを浮き彫りにする。今現在、選びうる選択肢の中に答えがあるとは限らない。わかっていてもいちいち調べるのはめんどくさいものだ。

制約というのは、結局ゲームのルールとして受け入れるかどうかの問題でしかない。一度腹をくくってしまえばやるべきことが見えてくる。

今は「必要十分」でいい

みっつ目は、「過剰なものを求めないようにしよう」ということ。

むやみにクオリティを追求したくなる気持ちを抑え、買い物は必要最小限に留めよう、といういうことだ。我々はスタートアップであるからして、例えば牛乳は低温殺菌牛乳ではなく普通の牛乳。例えば有機栽培ではなく普通の野菜、といった買い物をする。高いものはうまいし体にいいのだが、キャッシュフローを破壊してまで求めるものではない。

神は細部に宿るのだが、限界効用は逓減することもまた、私たちは知っている。

 

メリハリをつけよう

一方で、私達は顧客体験を守るためには利益度外視でお金を使っている。クルマを修理するため、月49,800円のサービスにも関わらず30万円を超えるメンテナンスをしたり、我々のサービスが至らずクルマをお届けできなかったお客様にお詫びとして自腹で高級車を提供したりしてきた。

お客様を悲しませずに済むのはとてもうれしいが、一方で出費としてはとても痛い。とてもとても痛い。だからお金に頼ったフォローをしなくてもご満足いただけるよう、しっかりとサービスをよいものに一刻も早くしていかなければならない。

終わりに

今回は完全に意識高い系の気付き系ポストだったが、自戒系の意味も含めて投稿してみましたであります。NORELではエンジニア、デザイナー、あとはビジネス回す人たちとかPRとか色々募集してます。ぜひよろしくお願いします。