新規事業開発の実務

水疱瘡まじこわい

事業の "無理のしどころ" について

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先日、他社の事業責任者の人と会話をしていて、「どこで無理をするか」という話になった。
 
最近はリーンスタートアップやデータに基づくKPI管理が一般的になってきたので、事業推進における不確実性はリスク許容度の中でコントロールされ、出資者も安らかだろうと思う。 
内部環境はそれでもいいが、外部環境はそんなことおかまいなしに変わってくるので、成長を志そうと思うとどこかで大きくリスクを取り、勝負を賭けるタイミングが出てくる。
 
先程の、事業責任者の会話の中で感じたのは、ベンチャー起業家と社内起業家の「勝負」に対するスタンスの違いだ。
ベンチャー企業家は、投資家に急激な成長を促されるので資金に対してレバレッジをかけて未熟な社内リソースや未検証の確実性を最大限ストレッチさせて勝負を賭ける。どこまでカネを増やせるか、というところがポイントになる。
 一方、出資を受けていない社内起業家は、社内クレジット、つまり自分に対する会社からの「信用」に対してレバレッジをかける。
 
どちらがよい・悪いということにはあまり興味がないので、単にどういう条件付けがどういう行動を引き起こすのか、という点を考えてみたい。
 
個人的な経験則だが、ベンチャー投資家は個々の事業だけでなくポートフォリオの打率でものを考えるので、ホームランを求める傾向にあると思う。投資ラウンドが進めば過去の投資にレバレッジも効くので早く・高い成長率を求めるインセンティブも大きい。
 
一方、社内起業家のスポンサーである経営陣 (株主が新規事業に積極的な大企業は少ないと思う) は、ベンチャー投資家と比べて金銭的な成果より説明の納得感やチームの成長を求める傾向にあると感じる。投資の母体である「組織」とは、そもそも再現性を求めて作られたものだからだ。
その結果、事業責任者はどう動くかというと、前者、投資家から出資を受けたベンチャー投資家はアグレッシブだ。破滅するか成功するかという二者択一の中でストレッチな目標を追い続ける。後者の社内起業家は、組織とのコンセンサスに対してより誠実であろうとする。現代国内の株式会社は、出資者が再現性 (利回り) に投資する構造体だから変化する環境下では縮小均衡に向かうと思う。
 
結局、ディスカッションしている当事者間でそれらしい結論はなにひとつ出なかったけど、どちらの場合でも意思決定が暗黙的なバイアスを受けている可能性を意識するという意味では視界を広げるおもしろいやりとりだった。
 
人は自分の経験に大きく影響される。だからこそ、違うバックグラウンドを持つビジョンの近い友人・知人との交流でしばしばリフレームすることはとても大切だと思う。
 
フリーランスである今年は、昨年以上にたくさんの人と事業の考え方について交流していきたい。